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2019年1月23日の大崎裕史の今日の一杯

岐阜県瑞穂市

ご当地ラーメンの誕生にはそのきっかけとなるカリスマ店が存在した。同じように地域のラーメン向上にもそういう店の存在が必要である。
岐阜県及び愛知県では「白神系」という言葉が誕生している。関市にある「白神」とその関連店及び弟子の店であるが列挙してみよう。
麺屋白神@岐阜県関市(2004年オープン)
二代目 白神@岐阜県関市(2009年11月:白神2号店)
麺喰(めんばみ)@愛知県尾張旭市(2011年5月28日:一番目)
ラーメン・つけ麺 爆王@岐阜県関市(2012年1月27日:白神3号店)
麺座 かたぶつ@愛知県瀬戸市(2012年3月8日:二番目)
ニボチャチャ!!ラーメン あらき軒@岐阜県羽島郡(2015年3月9日:三番目)
ラーメン イロドリ@岐阜市(2016年10月5日:四番目)
中華そば 焼めし かたぶつ食堂@愛知県春日井市(2017年12月23日:かたぶつ2号店)
麺切り 白流@岐阜県瑞穂市(2018年4月25日:五番目)
みそらーめん かたぶつ@愛知県尾張旭市(2018年12月21日:かたぶつ3号店)
※稲葉家@岐阜市(2018年8月8日:公認弟子ではない)

こう見てみると「白神」の存在によって岐阜県及び愛知県にいい店が増えていることがわかる。

五番目のお弟子さんの店「麺切り 白流」に行ってきた(日曜)。混むのがわかっていたので10時の開店時間の2時間前、8時着である。到着順に名前を書くのであとは車の中で待ってもいいし、近くならいったん家に帰ってもいい。我々はコンビニに行ってトイレを借りたり、飲み物を購入して少し時間を潰して戻って来た。名前を書いたからもう大丈夫、というわけではない。駐車場が無くなるので要注意。実際この日も開店時間前に15台分の駐車場は満杯になっていた。

一軒家の天井が高い建物。店主は白川郷近くの生まれでそれをイメージした物件を探していたら、ここにたどり着いたという。

基本メニューは「文殊にゅうとん」という岐阜県産豚を使った豚清湯100%スープに低加水細ストレート麵を合わせた「中華そば」700円。しかし、お店のオシは豚清湯に日替わりの自家製焼干しを加えた「醤油そば」770円である。麺は白神専用粉「北の麦味」を50%の超多加水で打った自家製太縮れ麺。100〜120食くらいの限定で多くの人がこれを食べる。ある意味、こちらが基本メニューというか、初訪の人が目指すメニューと言えよう。しかもこの「醤油そば」、それでなくても焼干しが日替わりなのに、薄口醤油への変更や細麺への変更も可能。油多めや塩分控えめなどの調整も受けている。塩味や味噌味もあり、コンプリートするには何回通えば良いのだろう?いや、焼干しが日替わりだからコンプリートは不可能。だからこそ連日、周りに何も無い(失礼、でも周りは田んぼ)この店にたくさんの人が訪れるのだろう。

この日の焼干しは「カンパチ(焼)20、アンコウ(生)80」。Twitterで連日挙げており、前日は「イトヨリ(焼)80、カタクチイワシ(煮)20」、前々日は「カレイ(焼)50 カタクチイワシ(煮)50」とかなり変わる。過去のを見ていたら蛤や金目鯛、紅ズワイガニの日もあった。近くなら毎日通って食べ比べたい。

ちょっと長くなったがこれからが感想。
麺は超多加水で山形県鶴岡風。これはうまいし、マイフェイバレット。スープも豚清湯に焼干しは好みの組合せ。塩も少し貰ったら喜多方風にも感じられた。中華そばは豚清湯に低加水の麺が面白い組合せ。福岡でも豚清湯が増えているのでこういうのが出てきそうだ。チャーシューは先ほどのブランド豚を炭火焼し低温調理したもの。
新店ではあるが「今風」というよりはどこかのご当地ラーメンを食べているような気分で身も心も癒された。なんだか鶴岡と喜多方をブレンドしたかのよう。ご当地好きには必食の一軒。4人で行ったので4種類食べられてホントに良かった。そもそも車のない私には一人で行く術もない。

お店データ

麺切り 白流

岐阜県瑞穂市森860-1
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2015年12月末現在約23,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。